感想マンガとある魔術の禁書目録 #153「襲撃」

※この記事は漫画「とある魔術の禁書目録」第153話のネタバレを含みます。ご注意ください。
第153話「襲撃」
「貴様の前にはいくつかの選択肢があったはずである」
「私の宣告を受け止めた上で 自分の命を預けるに足ると判断した結果がこれだと言うなら――」

©鎌池和馬/近木野中哉/スクウェア・エニックス
圧倒的強キャラ感――ッ!!
やっぱかっこいいよなアックア……魔術師なのに体格ガッチガチっていうギャップがいいんですよね。
今まで出てきた神の右席はスラッとした女性の前方のヴェントと長身だけどヒョロヒョロな左方のテッラだったので、筋肉ムキムキの後方のアックアが出てくると迫力が違います。
さて、第二二学区での銭湯回が終わり、上条さんの前に後方のアックアが現れた前話。
前話>>#152「第二二学区」
「前もってアポは取っておいたのにお前何も用意してないじゃん」と余裕を崩さないアックアはこう続けます。
「策を練る必要はない。私はただこの世界で起きている騒乱の元を排除しに来ただけである」と。
騒乱の元――そう、上条さんの右腕に宿る幻想殺しのことですね。
全ての元凶は幻想殺しにあり、この場で右腕を差し出すなら命までは奪わないと言うアックア。
アックアの襲来が始まったというのに、天草式の仲間が出てこないことに疑問を持つ五和。
そしてアックアが捨てるように投げたものがこれ。

©鎌池和馬/近木野中哉/スクウェア・エニックス
こ、これは……!

©鎌池和馬/アスキー・メディアワークス/PROJECT-INDEX Ⅱ

©鎌池和馬/アスキー・メディアワークス/PROJECT-INDEX Ⅱ
た、建宮のやつーッ!!
この建宮の首飾りを放るという演出はアニメでもありましたが、原作には無いんですよね。
回りの護衛を倒してきたということが一目でわかる良い改変だと思います。
五和がアックアへ敵意を向けたその瞬間、消えたとしか判断できないようなスピードでアックアに接近を許し肘打ちを食らいます。
「五和!?」と叫ぶ上条さんに、
「人の心配をしている場合であるか」とアックアが出現させた獲物。

©鎌池和馬/近木野中哉/スクウェア・エニックス
撲殺用の金属棍棒。
全長五メートルを超すその大質量の武器を、その膂力で難なく操ります。
回避の間なく振り下ろされる金属棍棒を避けることができたのは、五和がバッグを投げて上条さんが予期せぬ方向に飛んだから。
立ち上がる五和に「組織が束になっても適わなかった相手に一人で挑んで勝てるとても思っているのであるか」と問うアックア。
「私にも、意地があります」と護衛の任を全うしようとする五和。
そう覚悟を持ち海軍用船上槍を装備する彼女が挑むも、いともたやすく吹き飛ばされてしまいます。
これアックアが強すぎるんですよねぇ……。
今までの敵に強力な魔術を使う者はいたものの、その人自体は普通の身体能力でしたから、上条さんでもなんとか勝つことができましたが……。
この後方のアックアは、何の魔術による支援もなく音速以上のスピードで移動する聖人ですからね。
こいつは同じ人間なのか?と本気で疑う上条さん。
ここまで上条さんが成す術なくやられる描写というのは、これが初めて。
「右腕を差し出すか?」と確認するアックアに、「ふざ、けるな」と上条さんの返答。
「それならば、もう少し現実を知ってもらうのである」とアックアの攻撃の応酬が始まり――。
――それから少し時間が経ち。
気絶していた五和が目を覚ますと、そこに血だるまになった上条さんの姿を見つけます。
自分の護衛対象が血まみれで倒れているのを見て気が動転した五和はアックアが目の前にいることすら忘れて、上条さんに回復魔術を施そうとするのですが――……

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そう、上条さんに対してあらゆる異能の類は効果がありません。
たとえそれが回復魔術であっても、幻想殺しがそれを打ち消してしまいます。
無力感と絶望感から、原作では「うわああああああッ!!」と絶叫していたのですが漫画ではカットされていましたね。
五和の絶叫シーンちょっと楽しみにしていただけに少し残念。
「もう良いか」と背後から声をかけ、
「そこをどかぬのなら、上条当麻と共に粉砕するのみ」と一歩踏み出すアックア。

©鎌池和馬/近木野中哉/スクウェア・エニックス

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いい表情だぁ……!!
すごく良いですこのボロッボロ具合!
いやぁこの満身創痍の五和が見たかったんですよー!!
アニメだとあんまり痛めつけられた描写がなかったですからね……!!
最後まで上条さんを守るために立ち上がり、アックアに相対する五和。
その彼女の肩に後ろから手がかかります。
そう、上条さんです。
上条さんは立つどころか目を開くのもやっとの体で、五和の前に出ました。
「ありがとう、五和」と。

©鎌池和馬/近木野中哉/スクウェア・エニックス

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こんな時にまで、五和を気遣う言葉をかける上条さん。
まじかっけーっす……。
最後の力を振り絞って殴りかかる上条さんを、やはりたやすく返り討ちにするアックア。

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「麻酔もなしに右腕をもがれるのは酷だろう」という理由でアックアは一日だけ待つと言い残しその場を去ります。
これだけ痛めつけておいて今更麻酔ですか、と思うものの、
もしこの場で右腕をもいでいたら?と思うと違う面白い展開になっていたかもしれませんね。
ホラ、上条さんの腕に住んでいるあの方々が出てくることになりますものね。
いくらアックアと言えど、神浄の討魔と対すればまず無傷じゃ済まなそうですし、その腕に住む存在のことを知っていれば右方のフィアンマの対応も違っていたかもしれません。
さぁ、アックアの襲来によって大怪我を負った上条さんと五和はどうするのか。
では次話でお会いしましょう、ありがとうございました!
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前話>>#152「第二二学区」
次話>>#154「襲撃―その後」